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【道端】ソメイヨシノ

  • 執筆者の写真: Taiju YONEDA
    Taiju YONEDA
  • 2023年3月22日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年3月25日

2023.03.18 (土)

3/18開花しました。

ソメイヨシノ2023.3.18開花

おしべの先のヤクの形状が2種類ある
おしべの先のヤクの形状が2種類ある

サクラの花には、中央にめしべとおしべがあります。おしべの先端には、葯(やく)と呼ばれる花粉の詰まった袋があるはず。


開花予想通り咲いたサクラの花をよく観察すると、写真のように葯みたいな構造は見えます。しかし、形状が膨らんだものとシワシワに縮んだもの、2種類あります。なぜ形が違うんでしょう?


仮説1:花粉が放出前 & 放出後

葯は花粉が詰まった袋らしいので、花粉が出てしまえば、シワシワに縮んでもおかしくないでしょう。

しかし、サクラはスギやヒノキと違って、虫が花粉を運ぶ虫媒花だったはずです。今日咲いたばかりで、周囲にハチなども見当たらないので、まだ花粉は放出されるチャンスはなかったはず。ということは、膨らんだ葯の方が多いはずなのに、ほとんど縮んでいるのはなぜ?


仮説2:成長不良

開花した直後の観察だったので、この段階で葯がシワシワだったということは、うまく花粉を生成できていないのではないでしょうか。(または反対に、未成熟段階で、開花後に膨らんでいくものかも?)

観察したサクラの木が、数ヶ月前から幹にキノコが生えているため、何らかの病気なのかもしれません。(関連記事:サルノコシカケ) 他の株の花も観察して検証してみます。


仮説3:そもそも葯じゃない!?

植物の学問的なこと、中学校理科までの知識しかない。まったく別の構造をおしべだと思いこんで、自信満々に考察している勘違い野郎である可能性もありますな。

やっぱり公開するの止めようかな。


このソメイヨシノの同定も含めて、植物の名前を調べるのに、手持ちの雑草図鑑に加えて、「松江の花図鑑」 https://matsue-hana.com を参考にさせてもらっています。植物の花だけでなく、葉や種子まで詳細な写真が掲載されています。情報量がすごいです。


2023.03.23 (木)

"仮説2"を検証するために、他の株のサクラの花を観察しました。開花したてと思われる (完全に開ききっていない) 花を見たところ、葯の半数くらいは縮んでいました。どうやら、最初に観察したサクラ株だけが病気ということはなさそうです。"仮説2"は否定。

「縮んでいる」と表現していましたが、よく見ると葯が割れて反転し、中の花粉(?)が露出している様子が観察できます。こうやってむき出しになったところに、媒介する虫が接触して、花粉が運ばれているようです。

いろいろ調べたところ、やはりこれは葯のようです。"仮説3"は否定。良かった。


やはり"仮説1"が正しいようです。葯に媒介虫が接触して、初めて花粉が放出されると考えていましたが、花粉はむき出しで虫が来るのを待ち構えていているようです。それなら開花前からでも放出準備していても別に良いので、開花直後に大半の葯が開いていてもおかしくないですね。



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