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【道端】ネコハエトリグモ

  • 執筆者の写真: Taiju YONEDA
    Taiju YONEDA
  • 2023年4月3日
  • 読了時間: 3分

2023.03.31 コンクリート

ケースの中を跳ねまわるネコハエトリグモ

声に出して「猫/蠅/鳥/蜘蛛」などと読むと珍妙な名前に聞こえますが、こいつは蜘蛛です。単眼が8個あって、中でもひときわ大きな正面に付いている1対の眼で、周囲の様子をちゃんと確認しているようでした。なぜかカメラを向けると背中側を見せてくれないです。ときどき顔を傾け、一番大きな単眼をこちらに向け、こちらの様子を確認している様子が見えてかわいらしいです。動きがハエを取るくらい素早いのですが、好奇心旺盛であるように見えました。こちらの手にも恐れることなく乗ってくる。ハエトリグモ全般にそうなのか、この種の性質か、固体の性格かは不明なのですが、それを見てると、ハエ/トリ/クモではなく、これはネコに違いないです。


ハエトリグモは糸の巣を作って獲物を待つようなことをせず、飛んだり跳ねたり能動的に狩りをうぃます。でも糸をまったく使わないわけではありません。高いところから飛び降りるときに、またもとの高さに戻れるように命綱として糸を繋げていたり、ケースに入れると足場のように糸を張っていることもあります。さらに巧みに糸を使って、ただジャンプして放物線上に移動するのではなく、空中で糸を引いて着地場所を変えたり、壁沿いにジャンプ移動したり、立体機動をします。しかも、今回捕まえたこのネコハエトリグモは好奇心からか、逃がそうとしたら立体機動しながら私の腕を肩あたりまで登ってきた。某進撃する漫画になぞらえると、この場合の巨人は我々人類なのですが、いきなりこんな動きをされたら「うわぁぁ」と素頓狂な声を上げるしかできませんでした。もちろん"うなじ"を守る余裕なんてない。


平気でプラスチックケースの壁面を歩いているけど、どうやってるのでしょう? よく「ガラス面などに付いて目に見えないほどの小さな凹凸に、爪をひっかけて…」などと説明されている気がしますが、ちょっと信じられない。肉眼で見る限りでは、爪なんてよく見えないし、そもそもひっかける程度で天井面を歩けるものでしょうか。

スパイダーマンがビルの壁面を登るとき、映画では指先に細かい棘のようなものが描写されていた気がしますが、そんなもので体重を支えらるのが信じられない程度に信じられない。実際のところ、ハエトリグモの目に見えない構造がどうなっているのか、顕微鏡でちゃんと確認してみたい。毛がたくさん生えているようなので、もしかしたらヤモリのようにファンデルワールス力が作用してはいないでしょうか。

…スパイダーマンについては、どうだろう、空想科学読本でも読めば考察してるのかな。今度市民センターの図書館で読んでみましょう。


同定に関して「目に見えるいきもの図鑑」(https://orbis-pictus.jp/index.php)の写真を参考にさせていただきました。私は研究テーマ探しと備忘録のためにこのブログ記事を始めましたが、まさにこんなwebサイト図鑑を作りたいなぁ。コンセプトからwebデザインまですばらしい。この生きもの調査を始めてから、身のまわりの生きもの紹介サイトってけっこう沢山あるんだと、気づけました。

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